中国では冬虫夏草は漢方薬の王様と言われています。
冬虫夏草は、昔から万病の薬と言われ、スタミナ不足や過労,耳鳴り,喘息,精力減退,生活習慣病,運動能力低下,アトピー性皮膚炎,糖尿病などに効果があると言われ、抗ガン(肺ガン)効果も期待されています。
なので、上記の悩みがない方には関係のないお話になるかもしれませんが、逆に上記の悩みがあるカタにはすごく興味深い話だと思いますので読み進めていただくと嬉しいです。
冬虫夏草って高級なイメージがあります。
はい、冬虫夏草は金よりも高価な食材と言われることがあります。
1キロあたり60万から100万円の相場とも言われる、高級食材の冬虫夏草
改めて、みなさんは冬虫夏草(とうちゅうかそう)をご存知でしょうか?
聞いたことはあるという方は多いと思います。名前だけ聞くと草の一種かと思いますよね。実はこの冬虫夏草、中国の高原(青海、四川、雲南、チベット)にわずかに生息するキノコの一種であり、中国では古くから薬草として宮廷において「強精強壮・不老長寿の妙薬」として多くの効果効能があると珍重されてきた漢方薬です。
こちらの動画で分かりやすく説明されています。
一般的に、冬虫夏草が一躍有名になったのが1993年の世界陸上選手権大会で、女子陸上チーム「馬軍団」が世界記録を次々とぬりかえる驚異的な活躍をみせ、その恐るべきパワーの秘密が愛飲していた「冬虫夏草入りドリンク」だったと世界中に報道されてからです。
冬虫夏草は菌類に分類され、漢方の生薬として使われるものです。ガンに効くと話題になったこともありますが、この珍しい漢方薬を広く知らしめたのも馬軍団でした。今ではプロスポーツ選手を中心に広く利用されているといわれています。
冬虫夏草の歴史
そんな漢方薬の王様と言われる冬虫夏草の歴史をお伝えします。
冬虫夏草って虫なの?草なの?
冬虫夏草の元々は、セミやクモなどの昆虫に寄生したキノコの総称です。
キノコなので菌の一種となります。昆虫に菌が寄生するということは非常に稀な自然現象であり、世界中でも約300種余りしか発見されていません。中国で漢方生薬として珍重されるのは、コウモリガの幼虫(イモムシ)から出たひとつの種を指していました。 学名をコルディセプス・シネンシスと付けられています。
夏になると、色鮮やかなたくさんの蝶が山中を飛び、花にたくさんの卵を産みます。やがて卵が幼虫に孵化し、土の中に潜り、植物の根の栄養分を吸収して大きく成長します。この時「冬虫夏草」菌がこの昆虫につくと、菌はまず昆虫の体内に侵入し、昆虫の豊富な栄養分を吸収しながら、ぐんぐんと育っていきます。昆虫が危険を感じ、必死に地面に出ようとしても、地表に着く前に菌のせいで死んでしまいます。
長い冬の間に、菌は昆虫の体内で成長します。形は昆虫の形が残っていますが、中身はもう菌に変わっているのです。これが“冬虫”です。
春の終わり頃から初夏にかけて、菌に変わった“虫”は発芽し、小さな頭(菌の子実体)が地面に出ます。この時が最も採集に適した時期です。そのまま放置するとやがてその小さい頭は草(細長い棍棒型)になります。これが“夏草”です。この奇妙な自然生態ゆえに「冬虫夏草」と呼ばれたのです。
この様に生きた虫の体に寄生するものは、冬虫夏草にだけしか発見されておらず、その生態はまだまだ多くの謎に包まれています。
また、昆虫にならどれにでも寄生するのかと言えば、そう言う訳ではありません。
セミにしか寄生しないセミタケなどが存在する様に、菌の種類によって寄生する植物の種類も決まっているのです。冬虫夏草は、中国の青海、雲南、四川、チベットからネパールの3000米から4000米の高山帯に分布しています。
冬虫夏草は不老長寿の妙薬
冬虫夏草は中国を代表する優れた漢方生薬のひとつで、古来より愛用されて来ました。特に中国の歴代王朝で、強壮・精力増強、疲労回復、諸病治癒、不老長寿に著効ある高貴薬として、宮廷を中心に常に珍重されてきました。
清朝の有名な漢方医学書、呉儀洛の『本草従新』(1757年)には、冬虫夏草は人間のエネルギーを生み出す源で、身体を強壮させると紹介されています。更にこれより早く、チベットの薬物書「甘露宝庫」(1400年頃)に、
チベットで薬物として使われていたものが、中国に伝わったと考えられています。冬虫夏草には、肺と腎を強める働きがあるため、中国では他の生薬と組み合わせて、肺気腫や喘息の根本治療によく使われています。
長年にわたる医学的な研究によって、その効力は科学的に証明され、1987年には中国の医療機関向けの一級漢方に認定、1995年には国宝級の国家指定食品となったのです。中国の最近の研究の中で、例えば2,000人の患者に冬虫夏草を使った臨床実験が実施され、その効果が確認されました。投与後観測された副作用は、精子数の増加および体重の増加のみであったといいます。
冬虫夏草は免疫力を高め、壊れた細胞を修復する
冬虫夏草が、不老長寿の薬草と呼ばれるには理由があって、その理由は冬虫夏草は免疫力を高め、壊れた細胞を修復する力が強いことが最近の研究で解ってきました。
また、十数種類のアミノ酸、粗繊維、炭水化物、脂肪、カルシュウム、鉄、亜鉛、マンガン等の微量栄養素が15種類発見されています。この中には制ガン作用が注目されているベータグルカン、エルゴステロール・パーオキサイト、コルディセプス酸、コルディセピンなどが含有されています。
さらに奇跡のホルモンといわれる「メラトニン」が含まれていることも判明しています。メラトニンは、間脳上部の松果体という内分泌器官から分泌される脳内ホルモンです。メラトニンは不老長寿のホルモンとして注目されています。
食効が高いといわれるコルジセプスミリタリス
冬虫夏草の食効が高いといわれるコルジセプス・シネンシスとコルジセプスミリタリスは、チベットから四川高原に至る高山の北面に分布しています。特に、中国では冬虫夏草といえばコウモリガに寄生するコルジセプスシネンシス(シネンシス冬虫夏草/チベット冬虫夏草)が冬虫夏草と呼ばれ、中国もその薬効を高く評価し正式に漢方薬認定しています。
また薬学の世界においてもチベット冬虫夏草だけを冬虫夏草と呼び、その他に寄生するものは「虫草」、または「虫草類」と呼んで区別しています。
一方、日本では冬虫夏草といえば、虫などに寄生する茸を総称して冬虫夏草と呼んでいます。そのため全く違う種類のものをすべて同じだと思っている方が多いようです。冬虫夏草の種類は、世界に400種類、国内でも350種類。多種多様で薬効なども大きく違っていますので、一口に冬虫夏草といえども全く違うものなのです。
サナギタケ(コルジセプスミリタリス)はチベット冬虫夏草と並び、中国では漢方薬認定を受けているものでその効能が高く評価されています。サナギタケに多く含まれる「コルジセピン」という核酸系の薬理成分はイギリスの癌センターで現在、臨床研究が進められ、かなりの効果が認められています。
また、アメリカの国立癌センターとボストン大学医学センターが共同で、1997年から、サナギタケの薬理成分のコルジセピンを使用して、急性白血病とHIV患者への臨床試験が行われ、現在、ステージⅢ(医薬品認定)の最終段階を迎えています。
日本国で生産される冬虫夏草
しかし、中国の冬虫夏草の生産には殺虫剤も防腐剤も規制がないので、どういう風に栽培されているか分かりません。またその入手経路も不明な商品が多く不安な部分もあります。その点、日本の栽培は一定規模の設備が整っている企業であれば規制も安全基準も備わっているので安心です。
日本国内において数百種類以上あると言われる冬虫夏草ですが、その中で特に効果効能が高いと言われるコルジセプスミリタリスの冬虫夏草を徹底管理の元、完全無農薬栽培している国産冬虫夏草は生産地や生産方法なども明確でおススメです。